「雲の上団五郎一座」
こんばんは、ミエです。
土曜日だし、喜劇見ましょうね〜。
「雲の上団五郎一座」
1962年/東宝
【映画】
監督:青柳信雄
榎本健一が座長を務める「雲の上団五郎一座」は旅回りの芝居小屋。
旅の途中で出会った演劇界の偉い人?を自称するフランキー堺とともに、トラブルに見舞われながらも各地で大人気の劇団となっていく。
こちらはその後続編映画や、テレビスペシャルなども作られる人気があったようです。
エノケンさん、フランキー堺さん、三木のり平さんなどなど・・・喜劇俳優のスターたちが集結した「雲の上団五郎一座」は、目まぐるしい個人芸の数々に圧倒されます!
青柳監督は東宝で喜劇映画をたくさん手掛けていらっしゃる監督ということもあり、この素晴らしいキャスト陣の素晴らしさを一つ一つ目立たせる方法がわかっていたんでしょうね。
まずはこの映画を見て、気になった俳優さんを追っていくのもいいかもしれません!
【俳優】
エノケンさんでしょ〜〜〜
62年のエノケンさんは58歳?還暦を目前にして、雰囲気的にはかなりおじいちゃんです。
しかし序盤の節劇、最後のカルメン、何をやってもカッコイイ!立ち姿からカッコイイ!と思えるのは、やはり喜劇俳優として長い年月を駆け抜けてきたオーラなんでしょうね。
雲の上団五郎一座でのエノケンさんは実はあんまりニコニコと笑う役ではなく、いつも何かに困っていたり考えていたり、ラストシーンも感無量をグッと堪えるような表情だったのが印象的です。
笑顔で登場しただけでパッと世界が明るくなるようなイメージのエノケンさんが、グッと真顔の演技をしているのは場面場面で強い説得力を感じます。
明るいエノケンさんはもちろんこういうエノケンさんも魅力的なのでぜひ見てみていただきたいです。
フランキー堺さんや三木のり平さんについては別で語りたい機会がありますので、ちょっと由利徹さんについて書きます。
由利徹さんはスッゴイぞ〜〜〜〜〜
コントをしているところを見ると、縫い物をする動きだけでなんでこんなに面白いのか不思議でならないおじさんです。そして映画に登場するとちょっとしたシーンだろうと大勢の中の一人だろうと存在感が半端じゃない!
62年の東宝映画「忠臣蔵 花の巻・雪の巻」の時なんて大工の妹に求婚しにきた男の役で、これは映画的には全く必要ないと言っても過言ではないシーンなのですが、由利徹さんが2、3言ホニャホニャっとセリフを言うだけでそのシーンだけが切り取られたように空気が変わります。
あの由利徹さんの凄さを見るためだけにあのシーンがあったと言ってもいいのではないか・・・?というような・・・
由利徹さんという人物を知ってから60年代の映画を見ると、ここにもいる!こんなところにもいる!しまいには「由利徹さんが出てた」という印象以外なくなっちゃうんじゃないかしら?と、いうほどに、非常に存在感の強い人物。
人生が明るくなるような気がするので、ぜひチェックしてみていただきたいです。
「雲の上団五郎一座」は現在DVD化されておらず配信もざっとみたところなさそうです。
名画座など情報を要チェックです。